2012年12月19日 北海道新聞夕刊より |
日本郵政社長に坂副社長が昇格 経営強化めど斎藤氏退任 |
日本郵政グループの経営体制を見直す改正郵政民営化法の施行に伴い、郵便事業会社と 郵便局会社が1日に合併し「日本郵便」が誕生する。2007年の分社化で生じた縦割り の弊害が取り除かれサービス向上が期待される。しかし目に見える変化は当面少ないとみ られ、合併で各事業の採算が不透明になり、かつて批判された「井勘定」が復活するとの 懸念の声もある。 日本郵政は19日の臨時取締役会で、斎藤次郎社長(76)が退任し後任に大蔵省(現財務 省)出身の坂篤郎副社長(65)が昇格する人事を決めた。就任は20日付。斎藤氏は経営体制 強化に一定のめどがついたとして退任する。16日の衆院選で自民党が圧勝したことも、ト ップ交代の決断を促したとみられる。 斎藤氏は大蔵事務次官などを経て、民主党政権発足直後の2009年10月に日本郵政社 長に就任。郵政民営化スタートから社長を務めた西川善文民に代わって、グループ従業員 数40万人以上の巨大組織を率いてきた。 今年4月の改正郵政民営化法成立や10月の集配・窓口業務の再編などでも手腕を発揮し た。日本郵政は日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険を傘下に置く持ち株会社。12月 18日に政府の郵政民営化委員会がゆうちょ銀の新規事業を容認したのを受け、経営に区切 りがついたと判断した。 坂氏は大蔵省主計局や内閣府の要職を歴任し06年からは内閣官房副長官補に就き、第3 次小泉改造内閣時代の安倍晋三官房長官を支えた。 日本郵政が掲げる15年までの株式上場に向け、安倍氏や自民党との人脈を持つ坂氏が社 長に就き、最大7兆円とされる売却益が見込まれる大型上場で政府、関係機関との調整を 担う。民間金融機関が反発するゆうちょ銀の住宅ローンなどの新規事業を順調に進められ るかどうかも重要な経営課題となる。 |
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