2013年06月21日 北海道新聞朝刊より |
「株式上場前倒しを」 |
日本郵政西室氏が社長就任 |
日本郵政は20日、株主総会とその後の取締役会で、新社長に郵政民営化委員会委員長で 元東芝会長の西室泰三氏を起用する人事を正式決定した。総務相の認可を経て就任した。 民間出身の西室社長の誕生で、日本郵政の株式上場へ向けた動きが加速することが期待さ れる。 西室社長はこの日の就任会見で、2015年秋までを目指している上場計画に関し「期 限を延ばすつもりはまったくない。むしろ、できれば前倒ししたい」と述べた。ただ、郵 便物の取扱数減少など日本郵政グループの経営環境は「上場を念頭に置くと非常に厳しい 状況」との認識も示した。 日本郵政は政府が全株式を保有しており、総会に株主として参加するのは財務省の担当 者だけ。総会では、取締役18人中17人を退任させるなど、経営陣を大幅刷新した。民主党 国民新党による前政権の影響が残る役員構成を安倍政権の主導で抜本的に見直す狙いがあ る。 西岡喬会長は退任。会長は空席とし、社長に権限を集中させる。 社長就任に伴い西室氏は20日、郵政民営化委員会の委員を退任。政府は、元総務相で東 大大学院客員教授の増田寛也氏を新委員に任命した。 日本郵政では、昨年12月の衆院選直後に坂篤郎社長が副社長から昇格した。自民党政権 の発足直前に駆け込みで社長交代が行われたことから、菅義偉官房長官らが「非常識だ」 と反発。政治の圧力で経営陣の大幅刷新となった。 |
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