2013年07月25日 北海道新聞朝刊より |
日本郵政 上場15年春に前倒し |
西室社長 地域の店舗網維持 |
6月に就任した日本郵政の西室泰三社長(77)は24日、北海道新聞など報道各社のイン タビューで、同社の株式上場時期を当初目標としていた2015年秋から同年4月ごろに 前倒しする方針を明らかにした。また、全国約2万4千局の郵便局網について「店舗の効 率化は考えるが、過疎地の店を閉めるつもりはまったくない」と道内など地域のネットー クを維持する考えを示した。 西室社長は上場時期を前倒しする理由に、これまで半期ごとだった連結決算の発表がこ の8月から、今年4〜6月期連結を皮切りに四半期ごとに発表できる体制となったことを 挙げた。その上で「上場の基礎的、数値的な条件がそろったということ。今後はどういう ふうに成長し、利益を上げ、運営していく会社なのか、を出す必要がある」と述べ、上場 に向け、新たな収益事業などを盛り込んだ中期経営計画のとりまとめを急ぐ。 具体的な上場計画については「来年9月ぐらいまでには説明できるようにしたい」と述 べ、ゆうちょ銀行、かんば生命保険の金融子会社2社についても「政府系金融機関として しか見られていない状況から脱するには株を公開している会社というのが分かりやすい」 として、日本郵政の上場計画を示す段階で、金融2社の上場に向けた方向性も併せて示す 意向だ。米国政府の反発で発売を見合わせた「がん保険」については、他社の商品を扱う 形で参入する。 また、全国の郵便局網については、近隣に店舗が集中する都市部での統廃合を検討する 半面、「日本郵政グループが存在する理由は、郵便局のネットワークを持っていて、それ が社会的にも地域的にも貢献するということ。金融2社とも連携できる形をつくりたい」 と述べ、地域のネットワークを維持した上で、郵便、金融、保険の各分野で全国一律サー ビス(ユニバーサルサービス)を堅持することを強調した。 |
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収益向上へ不動産活用/民間金融と連携も |
日本郵政の酉室泰三社長との主なやりとりは次の通り。 |
西室社長との一間一答 −上場時期は。 「15年春を希望している。今までやっていなかったが、8月中に1回目の四半期決算を 出せる。やる気になれば、できる力がある組織ということ。次の四半期決算も11月に出す 予定で、上場の基礎的数値的な条件がそろう。(ゆうちょ銀行、かんば生命保険の)金融 2社の株式上場をどうするかも同時に発表しなければならない金融2社がほかの銀行や保 険会社と同じようなことができるようなる条件が上場だと思う」 −店舗網の効率化をどうする。 「過疎地の店を閉めるつもりはまったくない。むしろ過疎地などの店を貴重な財産とし て持ち続ける。効率化に対する答えは、やはり都心部。数が多すぎると言われるが、そん なに必要なのかというところがある。ユニバーサルサービス(全国一律サービス)をしっ かりやるため、郵便局と金融2社が連携できる形をつくりたい」 −収益性をどう高めるか。 「不動産はいろいろな建物があるので、もっと収益が上がるよう活用すをまた、赤字が 続く各地のグループ病院も地域のためになるやり方をもう一度再検討し、地域の事情も見 ながら、見直しをしっかりやる」 −民間金融機関との連携は。 「可能性はある。今でもスルガ銀行などと商品販売で提携しているが、ほかの会社のが ん保険や医療保険にまで広げることも具体的に考えている」 |
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